剣道にはどんな技があるか知っていますか?
剣道にあまり馴染みがない人なら、よく分からないかもしれません。
もし、子供が剣道を習い始めたら、剣道技を知っておかないと教えることもできないし、見ていてもつまらないことでしょう。
そこで今回は、剣道を始めたばかりの小学生や初心者でも分かるように基本の剣道技から、すぐに試合で使えるおすすめの技までお伝えします。
初心者の方でも分かるように、できるだけ剣道用語は使わず、説明を入れながら分かりやすく解説しています。
この記事を読むことで、剣道技をしっかり覚えて、少しでも試合に活かしてもらえたら幸いです。
【初心者向け】知っておくべき基本の剣道技についての解説
剣道の試合をしていても、見ていても一番面白いのは技が決まる瞬間です。
まずは剣道にはどんな技があって、どうやって決まっているのかをお伝えします。
小学生が使える基本の技は3つ
最初に基本中の基本からですが、剣道技は大きく分けて、面・胴・小手・突きの4つがあり、打ち方と打つ場所がそれぞれ異なります。
面:防具で守られた相手の頭部目掛けて竹刀を振り下ろす技です。面防具の真上や斜め横あたりを狙います。
胴:お腹周りの防具である胴を竹刀で打ち抜く技です。通常竹刀を左側に倒して技を出しますが、右側から打つ「逆胴」という技もあります。
小手:相手の右手の甲から手首辺りを打ちます。打突部位が狭いため慣れてないと大きく外すことがあり、外されるととても痛いです。
突き:竹刀をフェンシングのように真っすぐ突き出し、相手の喉を狙う技です。防具で守られているとはいえ、一歩間違えれば大怪我に繋がるため、中学生以下は使うことができません。
以上が4つの剣道技ですが、そのうち小学生が使ってもいい技は、面・胴・小手の3つになります。
技を決めるために必ずやるべきなこと
次に技を決める時に必ずしなければいけないことをお伝えします。
実際に剣道の試合を見ていて、当たっているのに1本にならないのはなぜだろうと思うことはありませんか?
それは単に竹刀を当てるだけでは決まらない、技として認められるための基準が剣道のルールに定めてあるからです。
詳しくは『剣道試合審判規則』に書かれていますが、分かりやすくするために、すごく簡単にお伝えすると下記の通りになります。
- しっかりとした体勢で気持ちの入った声を出しながら打つ。
- 竹刀の打突部で正しく打つ。
- 打った直後も気を抜かずに気持ちと姿勢を保つ。
まず打ち込む際は、しっかりとした体勢をとり、声に気持ちを込めながら打ち込みます。
竹刀の打つ場所は『物打ち』と呼ばれる場所で、『物打ち』とは竹刀前方の数十cmの部分になります。普通に打てば『物打ち』で打つことにはなりますが、打ち方によってはそうじゃないことも稀にあります。
例えば、小手を打つ際に竹刀を横から平行に打つ人がいますが、この場合、打突部じゃないと判断され1本にならないことがあります。
最後に、打った直後も気を抜かずに、打ち終わった姿勢を一瞬保つ必要がありますが、これを『残心』といます。
小学校低学年ではよく『残心』が不十分で1本にならない場面を見かけますが非常にもったいないです。
打ちが入ると安心してしまいがちですが、審判が旗を揚げるまでは一瞬ですが打った気迫と体勢を保たなくてはいけません。
上記のうち、竹刀の打突部で打つこと以外は感覚的なもので審判の判断にはなりますが、慣れてくると割とすぐにその感覚が掴めてきます。
小学生でも高学年になるとその辺が分かってくるので、同じような判定を出せるようになります。
仕掛け技と応じ技
次に技の出し方で見ると、仕掛け技と応じ技の2種類があります。
まず、仕掛け技ですが、これは自分の方から先に打って出る技です。
まだ剣道を習いたてのうちは、相手の動きに関係なくとにかく自分から打っていくことが多いですが、次第に相手の体勢を崩して隙を作ったり、タイミングをずらしたりしてから仕掛けていくようになります。
自分からよく仕掛けていると、自分のペースで試合運びができるのが有利なポイントです。
次に、応じ技ですが、これは相手の攻撃をさばいてカウンターで打ち込む技です。
これには相手の技をさばく技術と素早く打ち返す技術だけではなく、相手の動きを読む洞察力や一瞬で反応する反射神経、相手の技を誘い出す上手さが必要で、相手が強ければ強いほど難易度が上がります。
特に、小学校高学年くらいになると、相手が打ってから反応していては間に合わないため、事前の予測が重要になり経験値が物を言います。
そのため、初心者にはかなりハードルが高いです。
試合の駆け引き
最後に試合中の駆け引きについてお話します。
剣道の試合を見慣れてないと、なぜもっと技を出さないのか疑問に思うことがあります。
しかし、これは「出さない」のではなく「出せない」のです。
実際に剣道で相手と対峙すると分かるのですが、自分に向かって真っすぐ竹刀を構えられると、剣道未経験者では打ち込む隙が見つけられず、動けなくなります。
それが経験を積むことで、次第に隙の作り方やタイミングのずらし方を身に付けていけるようになるのです。
子供たちは試合でただ構えて向かい合っているのではなく、技を出すための駆け引きや探り合いをしているのです。
【オススメ】すぐに試合で使える実践向きの剣道技を紹介!
それでは、習得が他の技より比較的難しくなく、初心者でも決まりやすい剣道技を3つ紹介します。
まだ剣道の経験が浅く基本的な動きしかできなくても、十分に習得できる技です。
繰り返し練習して身に付けてください。
小手・面
まずは小手・面です。
これは小手と面の連続技で、あまり難しくない割にけっこう使えます。
最初に小手を打ち、相手がそれ防いで隙ができたところを面に行く技です。
ポイントとしては、足の踏み込みが二段階になるのでいつもと少しタイミングが違うことと、フェイントの小手打ちを相手がしっかりと防いでくれないと隙ができないため、できるだけ本当に小手を打つように見せかける動きが必要になる点でしょう。
このように説明すると何だか難しそうに聞こえますが、習得の難易度は低めで、慣れればすぐに試合で使える技です。
また、仮に動きが大きくなりスピードが遅くなっても、けっこうひっかかる相手もいます。
ただし、多用しすぎると相手に読まれるので、小手をよく打った後に使うなど工夫するといいです。
抜き面
次に抜き面です。
剣道技には抜き技と言って、相手の技をかわして打つ技がありますが、その中でも抜き面は決まりやすい技です。
相手が面を打ってきた瞬間に1歩下がってかわし、戻る動作でそのまま面を打ちます。
この技は相手の打ち込む瞬間を見逃さない集中力と、技をかわす反射神経が必要ですが、よく面を打ってくる相手ならタイミングを掴みやすいです。
ただし、もしかわしそびれると技をまともに受けてしまう危険性があります。
さらに、この技は小学校低学年のうちはよく決まりますが、小学校高学年くらいになってくると、相手の反応速度が早くなってきたり、守りを意識しながら打つようになるので次第に決まりづらくなってきます。
面返し胴
最後に面返し胴です。
これは応じ技ですが、相手の面を打ってきたところを一旦竹刀で受けてから胴を抜く技です。
私の子供が通う道場でも多くの子供が好んで練習していて、小学校1年生から大人まで幅広く使われています。
この技の特徴は、相手がどんなに強くても技が決まる可能性があるところです。
誰でも面を打ち込む際は、胴に大きな隙ができます。
さらに、打ち込んできた竹刀を受け流されるので、竹刀での防御が間に合いづらいです。
そのタイミングで胴を素早く打ち抜きます。
しかも、小学校低学年のうちは相手の面を打つスピードも遅いので受け流しやすく、さらに次の胴を打つまでに時間が掛かっても十分決まります。
学年が上がったり相手が強くなると面のスピードが上がり、竹刀で受ける難易度が増しますが、練習や試合でこの技を頻繁に使っていると体が動きを覚えて反応速度が上がってきます。
剣道経験が浅くても一発逆転が狙える大技です。
最後に
今回紹介したもの以外にも、剣道にはたくさんの技があります。
さらに経験を積んでいくと、自分なりのフェイントや打ち方を編み出すこともできるのです。
私の子供も、技と言う程ではありませんが、いくつか自分なりの動きや打ち方のパターンを持っています。
先生に教わるだけでなく、自分の経験や戦った相手の動きを参考にして考えたようです。
剣道では工夫次第でいろんな技を作ることができます。
これから剣道を学んでいく中で、誰にも負けない自分なりの技をぜひ考えてみてください。