剣道の試合で子どもが負けたとき、どうやって励ましていいか分からず困ったことはありませんか?
試合で負けたときには、親のサポートがとくに重要です。適切に対応できないと、子どもがうまく立ち直れないかもしれません。
私の子どもも今まで剣道の試合で何度も負けて、とくに小学校低学年のときは、負けるたびによく泣いていたのです。
そんなとき、親としてどう励ませばいいのかわからず「なんて声をかければいいんだろう」「剣道が嫌になったらどうしよう」と悩みました。
そこで、子どもがはやく立ち直り、負けた経験を次の試合に活かせるようになるには、どう接したらいいかいろいろと試してみたのです。その結果、子どもが負けたときのサポートの仕方が分かるようになってきました。
今では子どもが試合に負けたときも、適切なサポートができる自信があるので、安心して子どもと接することができています。
今回は、剣道の試合に負けた子どもに対して、私がどうやって向き合いサポートしてきたかを実体験をふまえてお伝えします。負けたときのお子さんの対応方法で悩んでいる保護者さんへ、少しでもお役にたてるとうれしいです。
剣道で子どもが試合に負けた直後が声かけのキモ!
剣道の試合で負けた直後の声かけはとくに大切です。
なぜなら、子どもは試合で負けたショックよりも、親からなんて言われるかを気にしているかもしれないからです。もしかしたら、親にいいところを見せたいとか、試合に勝ってほめてもらいたいと思っていたかもしれません。あるいは負けて怒られるかもと不安になっているかもしれません。
私が過去に子どもに声をかけたときの失敗談と成功談をそれぞれ紹介します。
【失敗談】悔しさを奮い立たせようと説教する
私は最初のころ子どもが試合で負けたときに「練習が足りないから勝てないんだ」、「気持ちが弱いから負けるんだ」とよく言っていました。負けて落ち込んでいる子どもをさらに暗い表情にさせてしまっていたのです。
私としては、子どもにもっと努力してほしい、もっと強い気持ちで試合にのぞんでほしい、という思いがあったのです。しかし、いくら厳しい声かけをしても、ほとんど子どもにはひびかず、むしろ自信をなくしてしまいました。さらに剣道も楽しめなくなっていたのです。
単に厳しい声かけで子どもを奮い立たせようとしていましたが、子どもの気持ちに寄り添わないと効果がないことを痛感しました。
【成功談】成長したところをほめて次の目標を立てる
子どもに声をかけるなら、負けた子どもの自信を回復させ、次につながる言葉をかけてあげるといいです。そのような声かけけをすると、子どもは負けても気持ちを引きずらず、気持ちの切り替えができるようになります。
私はそのことを意識するようになってからは、試合結果には触れず子どもが成長したところや頑張ったところをほめるようにしてきました。そうすることで、子どもも試合後にあまり落ち込んだ顔を見せることがなくなり、私からの声かけを待つようになったのです。
そしてよかったところをほめた後は、すかさず次の試合に向けて目標も決めます。もちろんこの目標は勝敗についてではなく、成長に関する目標です。くやしくて強くなりたい気持ちが強いうちに決めると効果的です。
この声かけをするようになってから、子どもは負けても気持ちを引きずることが減り、気持ちの切り替えができるようになりました。
剣道で負けたときに取るべき行動5選
剣道の試合で負けたあとは、ますは気持ちを切り替える必要があります。そして負けたことを次の試合につなげることが大切です。そのために私がしているサポート法を5つ紹介します。
- 子どもに目標を決めさせる
- 試合後に相手に挨拶にいく
- 決勝戦まで観戦する
- 試合のビデオをみて振り返る
- 剣道以外のことでリフレッシュする
順番にお伝えしていきます。
子どもに目標を決めさせる
先ほど負けた直後に次の試合の目標を決めるとお伝えしましたが、決めるときは子どもに決めさせるといいでしょう。なぜなら、親が目標を決めてしまうと、子どもの達成しようという気持ちが弱くなってしまうからです。
剣道の試合に負けた直後は、強くなりたくて、親の決めた目標でも頑張りますが、時間がたつとその気持ちも冷めてしまいます。
ところが、自ら目標を決めると、自覚が芽生え、なんとか目標を達成しようという強い気持ちを持つようになります。
これはわが家の例ですが、以前「はやい面を打てるようになるために、次の試合まで毎日300本素振りをする」と子どもが自分で目標を決めました。子どもは「自分で口にした約束を破りたくない」と言い、毎日欠かさずやり切りました。
子どもに自分で目標を決めさせることで、責任が生まれ頑張りつづけることができるのです。
試合後に相手に挨拶にいく
最近はずいぶん減りましたが、剣道では、勝っても負けても、試合のあと相手選手に挨拶に行く習慣があります。戦ってくれたことへの感謝を伝えるためです。
私は子どもが5年生になってからその習慣をさせはじめたのですが、負けて挨拶に行き戻ってきた子どもの表情を見ると、晴ればれした顔に変わっていることに気づきました。おそらくお互い健闘をたたえあったことで、気持ちがすっきりしたのでしょう。ラグビーでいうノーサイドの精神と同じだと思います。
子どもにもその自覚があるようで、負けて落ち込んでも、すぐに挨拶に行き、気持ちの切り替えに活用しています。
決勝戦まで観戦する
試合に負けてしまうと、それ以降の試合をみずに帰ってしまう人がいますが、わが家では決勝戦までみるようにしています。なぜなら、決勝戦を観戦することで、次の試合で優勝したい、というモチベーションを養うことができるからです。
剣道の決勝戦は大会の最後におこなわれ、多くの観客が固唾をのんで見守ります。緊張した雰囲気の中で行われますが、勝敗がついたときの盛り上がりはものすごいです。静かな雰囲気が一変して、会場中が割れんばかりの拍手でつつまれます。
子どもにはその決勝戦の雰囲気を味わってほしいのです。今回は負けてしまったけど次は自分がこの舞台に立つんだ、という気持ちを子どもに持ってもらうために、毎回決勝戦までみせています。
以前、トーナメントの途中で子どもが試合に負けてしまい、観客席で一緒に決勝戦をみていたときのこと、子どもに「次は決勝戦まで行こう」と声をかけると「うん」と力強く言っていました。その後の練習にもすごく身が入っていました。決勝戦をみたことで次は自分があの場所で戦いたいという気持ちになったようです。
わが家では、決勝戦の観戦はモチベーションアップに効果的なので、負けたときは必ずみるようにしています。
試合のビデオをみて振り返る
わが家では剣道の大会のあとは、毎回帰ってから、一緒に試合のビデオを見て、試合を振り返るのが習慣です。どこが良くて、どこが悪かったのかチェックするためです。もちろん勝った試合だけでなく負けた試合も見ます。
子どもは最初、負けた試合はくやしくてあまり見たがりませんが、一度見始めれば、その後は続けて見ることができます。何が原因で負けたのか映像を見ながら考えるのです。
負けた直後は、気持ちの整理がつかず、あまり試合のことを考えたくないかもしれませんが、時間がたてば負けたことを受け入れて振り返りがしやすくなります。
負けても悔しかったで終わらせるのではなく、次につなげるために振り返りはおすすめです。その際は少し時間をあけて気落ちの整理ができてからがいいでしょう。
剣道以外のことでリフレッシュする
試合で負けたあと、いろんな手を尽くしてもなかなか立ち直れないときもあります。
以前、私の子どもはどうしても優勝したかった、大きな大会で負けたことがありました。直前まで猛練習をし、第1シードにも選ばれ万全の体勢で挑んだのに、油断して2回戦であっさり負けてしまったのです。
そのときは、子どもがすごく落ち込んでしまい、しばらく気持ちの切り替えができませんでした。
そこで私は、思い切って翌日の剣道の練習を休ませ、子どもを日帰り旅行に連れていったのです。剣道のことを忘れて思いっきり遊んだり、おいしいものを食べたりしたことで子どもも気持ちがはれ、リフレッシュできたようでした。その後は次の大会に向けて気持ちを切り替えることができました。
もし、試合に負けて、気持ちの切り替えが長引きそうなら、少し剣道から離れてリフレッシュするのもいいでしょう。落ち込んだまま無理に剣道をさせても、子どもがつらい思いをするだけです。
【厳禁】剣道で子どもが負けたとき親がしがちなNG行動
剣道の試合では子どもが負けてしまい、よくない行動をとる親も少なからずいます。悪気はなくても無意識にやってしまうこともあるので、以下の2点については気を付けましょう。
- 感情的になって子どもをおこる
- 対戦相手や審判の悪口をいう
順番にお伝えします。
感情的になって子どもをおこる
私の子どもが通う道場には、子どもを強くしかるお父さんがいます。負けた子どもを奮い立たせたいとか、そういったわけではなく、単に感情的になって怒っているのです。
子どもが負けてくやしい気持ちはすごくわかりますが、しかりつけても子どもが余計落ち込むだけで、むしろ委縮してしまい、力が発揮できないこともあります。
実際にその子は毎回大会のたびに、観戦しているお父さんのことが気になって、キョロキョロ探しています。これでは試合に集中することができません。負けたときはものすごく暗い顔でお父さんのところに行きます。
子どもが負けてくやしいときは、グッと我慢してどうしたら次につながるかを考えて冷静に接するようにするといいでしょう。
対戦相手や審判の悪口をいう
剣道の大会では、たまに対戦相手の悪口を言う保護者さんをみかけることがあります。負けたわが子がかわいそうなあまり、相手を罵るのです。また、審判に聞こえるように悪口を言う保護者さんもいます。子どもが負けた判定に不満があったのでしょう。
しかし、対戦相手や審判の悪口を言うのは、当たり前ですが、とても失礼な行為なので絶対にしてはいけません。
スポーツで戦う以上、勝ち負けは必ずつきます。くやしいからといって悪口を言ってもなんの解決にもなりません。しかもそれを聞いた子どもも、負けた原因が自分にはないと勘違いしてしまいます。
くやしいのであれば、その気持ちをバネにして子どもと一緒にたくさん練習して強くなればいいのです。
まとめ
剣道では試合で負けることもたくさんあります。日ごろ厳しい練習をしているのに試合で負けてしまうとすごくくやしいですし、落ち込むこともあるでしょう。すぐに気持ちを切り替えるのは難しいかもしれません。
そんなときは親の対応がとても大切です。子どもに適切な声かけをして、つぎにつながるサポートをしてあげる必要があります。
試合に負けて一番つらいのは子どもですので、ぜひ子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。
今回、私が子どもにしている方法をいくつか紹介しましたので、もし気になるものがあれば試してみてください。お子さんが気持ちよく剣道ができることを願っています。
下記の記事で、子どもの剣道のモチベーションを上げるための方法を紹介しています。子どものやる気が上がらず困っている保護者さんの参考になれば幸いです。