子どもが剣道の試合で小手をなかなか決められず、「もっと上達させてあげたい」と思ったことはありませんか?
私の子どもは剣道をはじめて最初のうちは、小手がものすごく苦手でした。道場で教わって練習していましたが、いざ試合で使ってみるとまったく決まらず悔しい思いをしていたのです。
そこで、何とか上達させてあげたいと思い、自宅で一緒に練習をはじめました。そして、いろいろ工夫しながら練習していくうちに、子どもに効果的な練習方法がわかり、次第に試合でも小手が決まりだしたのです。
今では、小手は子どもの得意技のひとつになりました。
今回は、実際に私が今まで行ってきたなかで、効果があった小手の練習方法を3つ紹介します。小手が上達しない原因や、上手くなることで得られるメリットもあわせてお伝えしたいと思います。
小手が苦手なお子さんの練習の参考になれば幸いです。
剣道で小手が上達したわが家の練習法3選
小手は相手が中段の構えの場合、右の小手布団を狙いますが、面や胴にくらべて有効な打突部位が極端に狭いです。
そのため、激しい動きの中でも正確に当てられるコントロールと、打突部位を打ちやすくするための動きが必要になってきます。
その2点を身に付けるために、わが家で行ってきた練習方法が下記の3つです。
- 目印をつけて繰り返し小手を打つ
- 長めの竹刀で小手を打つ
- フェイントの練習をする
それぞれ順番に説明していきます。
目印をつけて繰り返し小手を打つ
まずは、コントロールをつけるための反復練習です。目印をつけたところに繰り返し小手を打ち込みます。
わが家では、車庫の柱に座布団を巻きつけ、そこにテープで目印をつけています。残心はせず、とにかく打つ動作だけを何度も何度もやっていくのです。
慣れて体が覚えてくれば、目をつぶってやるとより効果的です。
さらに、子どもがあきないためのゲーム要素を取り入れたかったので、きれいに当たった回数をポイントにして毎日記録を付けています。そうすることで、子どものやる気を継続させやすいです。
この練習をはじめてから、小手のコントロールが随分よくなりました。
長めの竹刀で小手を打つ
さらに、コントロールをつけるために、長めの竹刀を使った小手打ちも行っています。
竹刀が長ければ、その分手元から切先までの距離が遠くなり細かいコントロールがしづらくなるのです。
具体的にはサイズを1つあげます。もし「35」の竹刀を使っていたら「36」の竹刀といった具合です。
以前、竹刀を軽く感じさせるために、試合前に重たい竹刀で素振りをする人を見たことがあり、小手でも応用できないかと考えて、この方法をはじめました。
最初、息子はサイズを1つ上げただけで小手を当てづらそうにしていましたが、毎日やっていると少しずつ慣れてきてコントロールができるようになってのです。
練習で長めの竹刀で小手をしていたおかげで、試合でも自信を持って小手が打てるようになりました。
フェイントの練習をする
コントロールがいいだけで、簡単に小手が決まるわけではありません。試合では、相手の手元を上げさせて、相手を小手が狙いやすい体勢にさせる必要があるのです。そのためにはフェイントが有効になります。
わが家では、フェイントの練習も欠かさず行っています。具体的には、竹刀を構えた状態から自然な動作で竹刀の切先を上げ下げする動きです。これを何度も繰り返します。
私は防具を持っているので、実際に息子に打ち込んでもらっているのですが、最初のころはわざとらしかったフェイントも、練習を重ねていくうちに、少しずつ上手にできるようになりました。
フェイントができるようになってからは、小手の精度がぐっと上がり、得意技としてより自信を持って打てるようになったのです。
小手が上達しない原因はコレ!子どもがつまずくポイント
たくさん練習しても小手がうまく決まらないなら、何か原因があるはずです。考えられる原因として以下の2つがあげられます。
- コントロールが身に付いていない
- 小手を決められる自信がない
それぞれ詳しくお伝えします。
コントロールが身に付いていない
小手を決めるうえで、最も大切な要素はコントロールです。
狭くて動く打突部位を正確に当てるためには、かなりの精度が求められます。
私の子どもも、小手が決まらなかった一番の原因がこのコントロールで、とくに低学年のころはコントロールが悪すぎて、全然違うところに当てていました。そのため、コントロールをつける練習を徹底的に行い、精度を徐々に上げていったのです。
試合で小手が上手く当たらないなら、まずはコントロールを磨くことを意識してみましょう。
小手を決められる自信がない
剣道では、小手に限らずどんな技も、自信を持って打たなければ、なかなか一本にはなりません。
なぜなら、気持ちの入った打ち込みでなければ、審判は「打ちが軽い」と判断してしまい、旗をあげてくれないからです。
私の子どもも、以前は小手に自信がなく、気持ちの抜けた打ちをしていて、試合ではまったく決まっていませんでした。しかし、自宅で一緒に練習を重ねるうちに「たくさん練習をしたから大丈夫」と自信をつけ、試合でも小手が決まるようになったのです。
子どもに、自分は決められると自信を持たせることは、とても重要だと実感しました。
剣道が変わる!子どもの小手がうまくなると得られるメリット3つ
小手が上手になると、剣道の試合で小手で1本を取れるだけでなく、さまざまなメリットがでてきます。
具体的には下記の3点です。
- 面が決まりやすくなる
- 強い相手でも勝てる可能性がある
- 相手が攻めづらくなる
一つずつ説明していきます。
面が決まりやすくなる
小手が上手くなると、相手が小手を警戒して手元を上げなくなります。
すると、面に対する反応が遅くなってしまい、面が決まりやすくなるというメリットがでてきます。
私の子どもは、もともと面が得意だったのですが、小手が決まりだしてからは、面の決まる確率がさらに上がりました。相手は面と小手の両方を意識しなければならず、守るのが難しくなったからでした。
小手が使えるようになれば、面と小手を組み合わせて攻めることで、相手の守る難易度がぐっと上がることになるでしょう。
強い相手でも勝てる可能性がある
上手な小手はなかなか防ぐことができません。
なぜなら、打突部位が最も相手の近くにあるため、速すぎてさばくのが難しいからです。
そのため、いくら守りのかたい格上の選手が相手でも、上手な小手なら1本を取れる可能性は十分にあります。
どうしても勝てない相手がいるなら、小手を重点的に鍛えて勝負するのもいいかもしれません。
対戦相手が攻めづらくなる
対戦相手が小手が上手だと、攻めるのが難しくなってきます。
なぜなら、面で攻めようとすれば、上がった手元を狙われるからです。
私が現役のときは面が得意だったので、小手が上手い相手にはすごく警戒して戦っていました。そのため、なかなか打ち出すことができず、攻めあぐんだことが度々あったのです。
相手に「この選手は小手が上手だ」と思わせることができれば、自然と相手の攻め手を防ぐことができるのです。
まとめ
小手は、面や胴にくらべると難しい技といえますが、上手くなれば試合で勝つ確率は格段に上がります。しっかり練習して身につけて、ライバルと差をつけましょう。
私の子どもは、今回お伝えした練習法を実践してきたことで、小手を得意技の一つにすることができました。反復練習なので、つまらないと感じてやる気をなくすことも多々ありましたが、あきらめずに練習を続けてきたおかげだと思っています。
ぜひ親子で一緒に練習をして、小手を習得してくださいね。
面打ちの練習方法について、下記の記事でお伝えしているので、よければご覧ください。
