子どもがプレッシャーを感じて剣道の試合で勝てないという経験はありませんか?
親としては、気の利いた言葉でもかけて子どもをリラックスさせてあげたいでしょうが、そんなに簡単にはできないものです。
私の子どもは、小学校低学年のうちはあまり試合でプレッシャーを感じることはなかったのですが、5年生になるころから次第にプレッシャーを感じるようになり、試合に影響しだしました。
もちろん子供の性格が原因でもありましたが、何か少しでも親ができることはないかと思い、声掛けから少しずつはじめてみました。最初のうちはうまくプレッシャーをやわらげることができなかったのですが、少しずつ続けるうちに効果のある方法が分かってきたのです。
今では、プレッシャーが完全になくなるわけではないのですが、試合で気にすることはほとんどなくなりました。
そこで今回は、私が実際に子どもに行っている剣道の試合でプレッシャーをやわらげる方法を紹介します。また、子どもがプレッシャーを感じる原因についてもお伝えします。
お子さんによって性格が違うので、全員に当てはなるとはいえませんが、少しでもプレッシャー克服の手助けになれば幸いです。
子どものプレッシャーをやわらげた声掛け
試合前にプレッシャーを感じている子どもにとって、親からの声かけは大きなものです。
上手な言葉を伝えてあげることができれば、子どもは集中して試合にのぞむことができるでしょう。
私が実際に行っているものは、下記の4つの方法です。
- 「勝ち負けより成長に目を向けよう」
- 「剣道を楽しもう」
- 「大会後には〇〇をしよう」
- できるだけ声をかけない
それそれ、順番にお伝えしていきます。
「勝ち負けより成長に目を向けよう」
「勝ち負けより成長に目を向けよう」という言葉は、常々子どもに伝えていて、試合前にもあらためて話します。
そうすることで、勝たないといけないというプレッシャーをやわらげるのです。
実際に、この声かけを試合前にするようになってから、息子は勝ち負けよりも、試合内容を気にするようになりました。「練習した技を決めよう」など、勝敗以外の目標を決めるとより効果的です。
「剣道を楽しもう」
低学年の子の試合をみているとは、みんな伸び伸びと剣道をしています。
なぜなら、勝敗よりも剣道の試合自体を楽しんでいるからです。
剣道を心底楽しんでいれば、プレッシャーよりも楽しさの方が上回ります。
私は試合のたびに、子どもに「剣道を楽しもう」と伝えていて、子どももその意味を少しずつ理解できるようになりました。おかげで、プレッシャーに打ち克つために、試合前に自然と「剣道を楽しむ」と自分に言い聞かせるようになりました。
剣道の試合は楽しんだもの勝ちです。楽しむことで結果的にプレッシャーも消え、勝てるようになるのです。
「大会後には〇〇をしよう」
試合の順番が近づいてくると、試合のことで頭がいっぱいになるものです。
「どうやって攻めよう」、「相手はどうでてくるかな」など、ずっと試合のことを考えるのでプレッシャーがやわらぐことがありません。
そこで、私はあえて大会後の楽しみを話すようにしています。
たとえば、大会の後に焼肉を食べに行くことや、友だちと遊ぶことなどでです。
先の楽しみを伝えることで、少しの時間試合から気持ちが離れて、プレッシャーから解放されます。
一気に気持ちを楽にするなら、この方法がおすすめです。
できるだけ声をかけない
意外かもしれませんが、できるだけ声かけをしないのも効果的でした。
子どもが、親の期待に応えようとしてプレッシャーを感じているなら、この方法がおすすめです。
声をかけないことで、試合に感心がないように子どもに思わせるのです。
しかし、本当に試合に興味がないと思われると、子どもが悲しみますし、子供自身がやる気を失ってしまいます。そのため、試合後は、必ずいつもより余計にリアクションをとって、気にしていたことを伝えるようにしましょう。
この方法は度々は使えませんので、ここぞというときに試してみてください。
剣道の試合でプレッシャーに打ち克つ方法
親の声かけ以外で、子どもがプレッシャーに打ち克つ方法を2つお伝えします。
たくさん剣道の練習をして自信をつける
一番確実で、ずっと使える方法は、やはりたくさん練習をすることです。
とにかく練習をして剣道が強くなることで、自分に自信がついてプレッシャーをはねのけることができるでしょう。
私も現役のころは、プレッシャーがつらく負けそうなときが何度もありましたが、そんなときはひたすら練習を重ねました。そうすることで試合当日に「これだけやったんだから大丈夫」と安心ができ、プレッシャーを抑えた状態で試合ができるようになったのです。
子どもがプレッシャーに弱いなら、ぜひ一緒に練習して自信をつけさせてあげてください。
試合前に相手選手を見ない
試合前に相手の動きを見てしまうと、無駄にプレッシャーがかかってしまいます。
仮にあまり強くない選手でも強そうに見えてしまいますし、本当に強い選手はもっと強そうに見えてしまうものです。
そのため、感じなくていいプレッシャーまで感じてしまいます。
試合前に、相手の動きを観察することは大切ですが、プレッシャーを感じやすいのであれば、あえて事前に見る必要はないでしょう。
私の子どもも、プレッシャーを感じそうな場面では、意図的に相手選手をみないようにしています。
子どもが剣道で感じるプレッシャーとは?
一口にプレッシャーと言っても、よく観察していると、実はいろんなプレッシャーがあることに気付きます。
私の子どもの場合、以下の4種類のプレッシャーを感じていたようでした。
- 親の期待に応えないといけない
- 団体戦で勝たないといけない
- 自分は強いので負けられない
- 下の学年の子に負けられない
それそれ詳しくお伝えします。
親の期待に応えないといけない
以前、剣道の試合で負けて応援席に戻ってきた息子が「お父さん、ごめん」と謝ってきたことがありました。
実は、試合前に「勝とう」や「がんばれ」ということを私がしきりに言っていたため、息子は期待に応えられず申し訳ないと感じてしまっていたのです。
子どもに勝ってほしいと思ってかけた言葉が、逆に子どもにプレッシャーを与える結果になってしまっていたのです。
無意識に言った何気ない言葉でも、子どもは親が期待していると考え、プレッシャーを感じてしまう可能性があるので、注意が必要だと痛感しました。
団体戦で勝たないといけない
人によっては逆かもしれませんが、私の子どもの場合、個人戦より団体戦の試合の方が、プレッシャーを感じてしまいます。
なぜなら、負けると周りに迷惑をかけるからです。
とくに小学6年生のときは大将だったので、責任が大きく本当につらそうでした。順番を待っているあいだ、仲間の応援はしてますが、顔がガチガチで常にこわばっていました。
一方、個人戦では負けても自分の責任なので、団体戦よりはプレッシャーが少ないようです。
自分は強いので負けられない
強い選手ほど、試合でのプレッシャーは大きいものです。
私の子どもは、小さいころからそれなりに試合で勝っていたので、「負けたら恥ずかしい」と思うようになっていました。
さらに、学年が上がっていくにつれ後輩ができ、「強い選手で居続けなければいけない」と考えるようになっていたのです。
そのため、勝手にプレッシャーを感じてしまい、試合で負けることも度々ありました。
下の学年の子に負けられない
上の学年の子と戦うときは、負けても言い訳ができますが、下の学年の子が相手だとそうはいきません。反対に勝てる可能性が高いので、負けるわけにはいかないというプレッシャーがでてきます。
たまに、小学生の剣道の試合で、上の学年の子がポロっと負けることがありますが、それはこのことが理由でしょう。
私の子どもが6年生のとき、5年生の子と戦うのをすごく嫌がっていましたし、実際にプレッシャーで動きが悪くなり、負けてしまうこともありました。
まとめ
剣道の試合で、子どもがプレッシャーを感じるのは当たり前のことです。
でも、親がそのプレッシャーをやわらげる声かけや対応をすることで、かなり気持ちを楽にしてあげることができます。
お子さんがどういったプレッシャーを感じているのかきちんと把握し、今回紹介した方法をぜひ試してみてください。
なお、下記の記事にて、子どものやる気を引き出すためのほめるコツを紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
