これから子供が剣道を始める時、親としては子供が上手くやっていけるか心配になりますが、同時に親自身も道場で上手くやっていけるか、人間関係についてすごく気になるのではないでしょうか?
子供の習い事で、保護者同士や保護者と先生が揉めるというのはよく聞く話ですので、できることならトラブルなくやっていきたいものです。
そこで今回は、保護者が前もって知っておくべき剣道で起こりやすい人間関係トラブルの原因について解説します。
私が保護者として剣道に関わってきた9年間で実際に経験した中から、特に気を付けておいた方がいいものを4つ選びました。
事前にこれらを知っておくことでトラブルを回避し、人間関係を円滑に進めることができるので、よかったら参考にしてみてください。
保護者間の上下関係
まず最初に、気を付けて欲しいのが同じ保護者同士でも、ある程度の上下関係が存在することです。
基本的には、子供の学年が高い方から順番になっています。
例えば、試合の集合時間だったり、荷物を運ぶ係だったり、保護者間で何か決めごとをする際は、上の学年の親ほど意見が強くて、子供が低学年だったり入部したてだとその意見に従うしかありません。
また、うちの子が通う道場では、保護者の座る席の順番まで決まっています。
練習の様子が見やすい場所が上座になっていて、そこから順番に座っていくようになっているのです。
私は最初それを全然知らず上座辺りに座ってしまい、他の保護者から注意されたことがありました。
さらに、試合会場の応援席や食事会の席等、道場以外の場所でもこの並び順が適用されます。
知らない人にこの話をすると、けっこう驚かれることが多いです。
上下関係を大事にする剣道だからこそある決まりとも言えるでしょう。
古株の保護者
さらに気を付けておいた方がいいのが、古株の保護者です。
古株というのは、今道場に通っている子供のお兄ちゃんやお姉ちゃんが以前道場に通っていたりして、古くから道場に関りがある親のことです。
古株の保護者は、長い間その道場に通っているので先生や多くの保護者達との関係が深く、発言力があります。
また道場や剣道について詳しいということもありますので、いろいろと教えてもらうことができます。
そのため、周りの保護者たちは古株の保護者に一目置いています。
円滑な関係を築くためには、古株の保護者をきちんと立てて接することが大切です。
小学校ごとの派閥
道場によっては、複数の小学校から子供たちが集まっている場合があり、派閥ができることがあります。
派閥と言うとお互いがバチバチしたかなり険悪なイメージがありますが、要するに仲良しグループのようなものです。
子供同士が同じ小学校で仲が良いので、親同士も自然と一緒になり、学校の話題等で仲良くなっていくのです。
道場への送迎の際も、同じ小学校なので家が近く一緒に送り迎えすることもよくあります。
特に、母親の方がその傾向が強く、グループを意識して行動しているようです。
しかし、ただグループで仲が良いだけなら何も問題はありませんが、保護者によっては他のグループと距離を置きたがったり、ライバル視して嫌っている場合がありますので注意が必要です。
ちなみに、うちの子は最初同じ小学校出身の子が一人もいなかったので、親子ともグループに入れず疎外感を感じることがありました。
しかし、後から同じ小学校の子が入ってきたので、その子の親とは自然と親しくなりよく話すようになりました。
グループごとの距離感は意識しておいた方がいいでしょう。
先生の指導方法に納得できない
子供が長く剣道をしていると、見ている親の方も次第に剣道のことが分かってきます。
そのため、保護者によっては道場の指導方法に納得がいかず先生に意見する親もでてきます。
うちの子が通う道場にも、「基本的な事ばかりじゃなく、もっと実践的な技を教えて欲しい」や「面ばかりじゃなく小手の練習をして欲しい」、「〇〇なタイプのチームと試合を重ねた方が子供が成長する」等、よく意見する保護者がいます。
熱心なのはとても良いことですが、やはり教えてくれる先生に対して失礼な行為なので、先生との関係がぎくしゃくしています。
いろいろと要望もあるかもしれませんが、長く剣道をしてきた先生のことを信じて、ぐっと我慢することも大事なのではないでしょうか。
また、自分の子供を試合に出してもらえなかったり、他の子どもばかり依怙贔屓されていると感じて先生に文句を言う保護者もいました。
いわゆるモンスターペアレントです。
こういった保護者はちょっとしたことでも過敏に反応することがあるため、先生も手を焼きます。
私が道場の保護者会長をしていた時にもそういった保護者がいて、先生と度々トラブルを起こしていました。
最初は穏便に事が済むよう仲を取り持っていましたが、次第に収拾がつかなくなってきて、最後は残念ながら違う道場に移って行ってしまいました。
道場の先生に不満があるというのはよく聞く話で、他の道場では剣道自体を辞めた子供もいました。
親が原因で子供が剣道を辞めていくのは、とても悲しいことでやりきれない思いになります。
最後に
子供が習い事をしていると、保護者や先生との間に人間関係が発生します。
そのため、仲良く円滑な関係を築くこともできれば、反対に上手くいかずトラブルに発展してしまうこともあるかもしれません。
剣道でも保護者の揉め事は往々にしてあります。
しかし、習い事の主役は保護者ではなく、あくまで子供です。
子供が気兼ねなく楽しく剣道に打ち込めるよう、できるだけ道場内での人間関係は円滑にしておくことが好ましいでしょう。
今回は私の経験を元に人間関係でトラブルになる原因を4つお伝えしましたので、参考にしてもらえたら幸いです。
揉め事のないスムーズな人間関係ができることを願っています。